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★物部の 八十伴の 思ふどち
心遣らむと 馬並めて うちくぶりの
白波の 荒磯に寄する 渋たにの
俳ほり 松田江の 長浜過ぎて
宇奈比川 清き瀬ごとに 鵜川立ち
か行きかく行き 見つれども
そこも飽かにと 布勢の海
船浮け据ゑて 沖辺漕ぎ
辺に漕ぎ見れば 渚には
あぢ群騒ぎ 島廻りには
木末さえ花咲き 諾多も
見のさやけか 玉くしげ
二上山に 延ふ蔦の
行きは別れず あり通ひ
いや毎年に 思ふどち
かくし遊そばむ 今も見るごと
★ もののふの やそとものをの
おもふどち こころやらむと
うまなめて うちくちぶりの
しらなみの ありそによする
しぶたにの さきたもとほり
まつだえの ながはますぎて
うなひがわ きよきせごとに
うかはたち かゆきかくゆき
みつれども そこもあかにと
ふせのうみに ふねうけすへて
おきへこぎ へにこぎみれば
なぎさには あぢむらさわぎ
しままには こぬれはなさき
ここばくも みもさやけきか
たまくしげ ふたがみやまに
はふつたの ゆきはわかれず
ありがよひ いやとしのはに
かくしあそばむ いまもみるごと
★ 物部の多くの官人たちが親しい同士
気持ちを晴らそうと馬を連ねて
うちくそぶりの 白波が荒磯に寄せる
渋たにの崎を 散策し、松田江の
長い浜べを通り、宇奈比川の
清らかな瀬ごとに 鵜飼をしつつ
あちこちと行って見てもなおそれで
飽きることなく、布勢の海に船を浮いだりして見ると
波打ち際には味鴨の群が騒ぎ、島のまわりには梢が
に花が咲いて、何と清らかな風景だろう
。玉くしげの二上山にははい伸びる蔦草のように
行く末も別れことなく通い続けて、毎年一層仲間同士で
このように遊ぼう。今見ていってるように
大伴家持
巻17-3991
心遣らむと 馬並めて うちくぶりの
白波の 荒磯に寄する 渋たにの
俳ほり 松田江の 長浜過ぎて
宇奈比川 清き瀬ごとに 鵜川立ち
か行きかく行き 見つれども
そこも飽かにと 布勢の海
船浮け据ゑて 沖辺漕ぎ
辺に漕ぎ見れば 渚には
あぢ群騒ぎ 島廻りには
木末さえ花咲き 諾多も
見のさやけか 玉くしげ
二上山に 延ふ蔦の
行きは別れず あり通ひ
いや毎年に 思ふどち
かくし遊そばむ 今も見るごと
★ もののふの やそとものをの
おもふどち こころやらむと
うまなめて うちくちぶりの
しらなみの ありそによする
しぶたにの さきたもとほり
まつだえの ながはますぎて
うなひがわ きよきせごとに
うかはたち かゆきかくゆき
みつれども そこもあかにと
ふせのうみに ふねうけすへて
おきへこぎ へにこぎみれば
なぎさには あぢむらさわぎ
しままには こぬれはなさき
ここばくも みもさやけきか
たまくしげ ふたがみやまに
はふつたの ゆきはわかれず
ありがよひ いやとしのはに
かくしあそばむ いまもみるごと
★ 物部の多くの官人たちが親しい同士
気持ちを晴らそうと馬を連ねて
うちくそぶりの 白波が荒磯に寄せる
渋たにの崎を 散策し、松田江の
長い浜べを通り、宇奈比川の
清らかな瀬ごとに 鵜飼をしつつ
あちこちと行って見てもなおそれで
飽きることなく、布勢の海に船を浮いだりして見ると
波打ち際には味鴨の群が騒ぎ、島のまわりには梢が
に花が咲いて、何と清らかな風景だろう
。玉くしげの二上山にははい伸びる蔦草のように
行く末も別れことなく通い続けて、毎年一層仲間同士で
このように遊ぼう。今見ていってるように
大伴家持
巻17-3991