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★ 懸けまくも あやにかしこし 言はまくも ゆゆしきかも わご王 皇子の命万代に
食したまはまし 大日本 くにの京は うちなびく 春さりぬれば 山辺には 花咲きををり
河瀬には 年魚子さ走り いや日異に 栄ゆる時に 逆言の狂言とかも 白?に 舎人装ひて
和豆香山 御興立たして ひさかたの 天知らしぬれ こいまろび ひづち泣けども
せむしべも無し
★ かけまくも あやにかしこし いはまくも ゆゆしきかも わごおほきみ みこのみこと
よろづよに めしたまはまし おほやまと くにのみやこは うちなびく はるさりくれば
やまへには はなさきををり かはせには あゆこさはしり いやひけに さかゆるときに
おうおづれの たはごととかも しろたへに とねりよそひて わづかやま みこしたたして
ひさかたの あめしらしぬれ こいまろび ひづちなけども せむすべもなし
巻3-475 大伴家持
★ 畏れ多くも賢くも、口にするのもはばかれることです。我が大君、皇子の命が、万代にまで
お治めになるはずであった、大和国の京は、季節の霊威に靡く春がやってくると、山辺には
花が咲きて、川瀬には若年魚が踊り泳ぎ、日一日と、ますます栄えている時に、
不吉な戯れごとのたわけた偽り事と言うのか、白布の喪服に舎人たちは装い、和束山に
皇子の輿をお建てになり、皇子は遥かかなたの天をお治めになってしまわれた。
悲しみのため身もだえするほどで、泣いてもどうすることもできない