★ 物思はず 路行く行くも 青山を
ふう放け見れば つつじ花 香少女
桜花 栄少女 汝をぞも 我に寄すとふ
われをもぞ 汝によすとふ 汝は
如何におもふや 思へこそ 歳の
八年を 切り髪の よち子を過ぎ
橘の 末枝を過ぎ 橘の 末枝を直ぐり
子の川の 下にも長く汝が心持て
★ 何の思いもなく 道は行きつつ 青山を
ふり仰いで見ると つつじの花が 美しい。
そのように 栄えている少女。
そんなお前に寄せていると言う。お前はどう思うか
私も思っているからこそ。長い年月を放ち髪
のよち子ののようの時代も過ぎて、この川の
底のように下心に長くあなたのお気持ちを待っていました。
巻13-3309
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