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★ あらたまの 年は来去きて 玉梓 使の来ねば
霞立つ長き春日を 天地に 思ひ足らはし
たらちねの 母が養ふ蚕 繭隠り 息衝きわたり
わが恋ふる 心のうちを 人に言ふ ものにしあらば
松が根の 待つこと遠く 天伝ふ 日の闇れぬれば
白木綿の わが衣手 通りて濡れぬ
★ あらたまの としはきゆきて たまあずさ つかひこねば
かすみたつながきはるひを あめつちに おもひおたらし
たらちねの ははがやしなふかいこ まゆごもり いきつきわたり
わがこふる こころのうちに ひとにいふ ものにしあらば
まつがねの まつことをとおく あめつたふ ひのきぬれば
しろたへの わがころもで とおりてぬれぬ
★ あらたまの年はやって来てまた去ってゆき、久しく玉梓の使い
来ないので、霞立つ長い春の一日を、天地にみちるほどに
心を尽くして思い、たらちねの母の養う蚕がにこもるように
心がいぶせく嘆き続け、わが恋する心の内は人に言うものでもないので
松の根のごとく待つことも遠く、空をゆく太陽もくれてしまうと
白妙の私の衣の袖はすっかり濡れてしまった
巻13-3258
霞立つ長き春日を 天地に 思ひ足らはし
たらちねの 母が養ふ蚕 繭隠り 息衝きわたり
わが恋ふる 心のうちを 人に言ふ ものにしあらば
松が根の 待つこと遠く 天伝ふ 日の闇れぬれば
白木綿の わが衣手 通りて濡れぬ
★ あらたまの としはきゆきて たまあずさ つかひこねば
かすみたつながきはるひを あめつちに おもひおたらし
たらちねの ははがやしなふかいこ まゆごもり いきつきわたり
わがこふる こころのうちに ひとにいふ ものにしあらば
まつがねの まつことをとおく あめつたふ ひのきぬれば
しろたへの わがころもで とおりてぬれぬ
★ あらたまの年はやって来てまた去ってゆき、久しく玉梓の使い
来ないので、霞立つ長い春の一日を、天地にみちるほどに
心を尽くして思い、たらちねの母の養う蚕がにこもるように
心がいぶせく嘆き続け、わが恋する心の内は人に言うものでもないので
松の根のごとく待つことも遠く、空をゆく太陽もくれてしまうと
白妙の私の衣の袖はすっかり濡れてしまった
巻13-3258