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万葉歌手、辻友子のブログへようこそ! http://tomoko.ciao.jp
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★ 白玉の 人のその名を なかなかに 辞を下延へ

  逢はぬ日の 数多く過ぐれば 恋ふる日の

  累なり行けば 思ひやる たどきを知らに

  肝向かふ  心砕けて 玉だすき 懸ける時無く

  口息まず わが恋ふる児を 玉釧 手に取り持ちて

  真澄鏡 直目に見ねば 下ひ山 下ゆく山

  下ゆく水の 上に出でず わが思ふ情 安きそらかも


★ しらたまの ひとのそのなを なかなかに こをしたはへ

  あはぬひの まねくすぐれば こふるひの かさなりいけば

  おもひやる たどきをしらに きもおもふ こころくだけて

  たまだすき かけぬときなく くちやまず わがこふるこころを

  たまくしろ てにとりもちて まそかがみ ただめにみねば

  したひやま したゆくみずの うえへやま ししたゆくみずの

  うえにいでてず わがおもふこころ やすきそらかも


★ 真珠の様に 大切なそ名を なまじっかにことばに出さず

  こころに秘め続けて 逢わぬ日が長くたったので、

  恋うる日を 積もっていったので 心を遣るすべもなく

  肝心砕けて 玉だすきのように こころ懸けぬ時をなく

  たえず口にして 恋したう心を 玉の釧路をごとく

  手にとりもち また真澄鏡のようにじかに見るといった

  こともないから、下べの色づく 山の木の下でかかくれに

  見るといったこともないから 下べに色づく 山の木の下で

  かくれに流れる水のごとく 表に出さず出さず わが思う心は

  安らかな状態ではありえない

       巻9-1792 田辺福麻呂

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