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★ 白玉の 人のその名を なかなかに 辞を下延へ
逢はぬ日の 数多く過ぐれば 恋ふる日の
累なり行けば 思ひやる たどきを知らに
肝向かふ 心砕けて 玉だすき 懸ける時無く
口息まず わが恋ふる児を 玉釧 手に取り持ちて
真澄鏡 直目に見ねば 下ひ山 下ゆく山
下ゆく水の 上に出でず わが思ふ情 安きそらかも
★ しらたまの ひとのそのなを なかなかに こをしたはへ
あはぬひの まねくすぐれば こふるひの かさなりいけば
おもひやる たどきをしらに きもおもふ こころくだけて
たまだすき かけぬときなく くちやまず わがこふるこころを
たまくしろ てにとりもちて まそかがみ ただめにみねば
したひやま したゆくみずの うえへやま ししたゆくみずの
うえにいでてず わがおもふこころ やすきそらかも
★ 真珠の様に 大切なそ名を なまじっかにことばに出さず
こころに秘め続けて 逢わぬ日が長くたったので、
恋うる日を 積もっていったので 心を遣るすべもなく
肝心砕けて 玉だすきのように こころ懸けぬ時をなく
たえず口にして 恋したう心を 玉の釧路をごとく
手にとりもち また真澄鏡のようにじかに見るといった
こともないから、下べの色づく 山の木の下でかかくれに
見るといったこともないから 下べに色づく 山の木の下で
かくれに流れる水のごとく 表に出さず出さず わが思う心は
安らかな状態ではありえない
巻9-1792 田辺福麻呂
逢はぬ日の 数多く過ぐれば 恋ふる日の
累なり行けば 思ひやる たどきを知らに
肝向かふ 心砕けて 玉だすき 懸ける時無く
口息まず わが恋ふる児を 玉釧 手に取り持ちて
真澄鏡 直目に見ねば 下ひ山 下ゆく山
下ゆく水の 上に出でず わが思ふ情 安きそらかも
★ しらたまの ひとのそのなを なかなかに こをしたはへ
あはぬひの まねくすぐれば こふるひの かさなりいけば
おもひやる たどきをしらに きもおもふ こころくだけて
たまだすき かけぬときなく くちやまず わがこふるこころを
たまくしろ てにとりもちて まそかがみ ただめにみねば
したひやま したゆくみずの うえへやま ししたゆくみずの
うえにいでてず わがおもふこころ やすきそらかも
★ 真珠の様に 大切なそ名を なまじっかにことばに出さず
こころに秘め続けて 逢わぬ日が長くたったので、
恋うる日を 積もっていったので 心を遣るすべもなく
肝心砕けて 玉だすきのように こころ懸けぬ時をなく
たえず口にして 恋したう心を 玉の釧路をごとく
手にとりもち また真澄鏡のようにじかに見るといった
こともないから、下べの色づく 山の木の下でかかくれに
見るといったこともないから 下べに色づく 山の木の下で
かくれに流れる水のごとく 表に出さず出さず わが思う心は
安らかな状態ではありえない
巻9-1792 田辺福麻呂
★ 秋萩を 妻問ふ鹿こそ 独子に 子持てりしへて
鹿児じもの わが独子の 草枕 旅にし行けば
竹珠を しじに貫き垂り いはひべに 木綿取り垂でて
いはひつつ わが思ふに 吾子 真幸くありこそ
★ あきはぎを つまとふしかこしかこそ ひとりごに
こもてりしへし かじものの わがひとりごの くさまくら
たびにしゆけば たけだまを しじにつきたり いはひべに
もめんとりたでて いはひつつ わがもふに ひとりごに
★ 秋の萩のを妻として求める鹿こそ、一人子の子にを持っているという。
鹿の子ではないが そのようなたった一人の私の子が草を貫き通して
垂らし、神を祭る壺に木綿の幣をとりつけ垂らし、忌み慎みつつ
心に念ずる。そんなわが子よ。無事であってほしい
鹿児じもの わが独子の 草枕 旅にし行けば
竹珠を しじに貫き垂り いはひべに 木綿取り垂でて
いはひつつ わが思ふに 吾子 真幸くありこそ
★ あきはぎを つまとふしかこしかこそ ひとりごに
こもてりしへし かじものの わがひとりごの くさまくら
たびにしゆけば たけだまを しじにつきたり いはひべに
もめんとりたでて いはひつつ わがもふに ひとりごに
★ 秋の萩のを妻として求める鹿こそ、一人子の子にを持っているという。
鹿の子ではないが そのようなたった一人の私の子が草を貫き通して
垂らし、神を祭る壺に木綿の幣をとりつけ垂らし、忌み慎みつつ
心に念ずる。そんなわが子よ。無事であってほしい