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万葉歌手、辻友子のブログへようこそ! http://tomoko.ciao.jp
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★ うち述へて 思ひし小野は 遠からぬ

  その里人の 標結ふと 聞きてし日より

  立てらくの たづきも知らず 居らくの

  奥処も日も知らず 親びにし わが家すらを

  草枕 旅寝の如く 思ふそら 苦しきものを

  嘆くそら 過し得るもの 天雲の ゆくらゆくらに

  蘆垣の 思ひ乱れて 乱れ麻の 麻筍を無みと

  わが恋ふる 千重の一重も 人知れず もとなや恋ひむ

  息の緒にして


★ うちはへて おもひしきみは とおからぬ

  そのさとびとが しめゆふと ききてしひより

  たてらくの  たづきもしらず いらくの

  おきどころもひもしらず おやびにし わがいえすらを

  くさまくら たびねのごとく  おもふそら くるしきものを

  なげくそらを すごしえるもの あまぐもの ゆくらゆくらに

  あしがきを おもひみだれて みだれあさと をけなみと

  わがこふる ちへのひとへの ひとしれず もとなやこひも

  いきのをにして

★ 長い間」 思いつづけて来た小野に、程近いその里がしるしを結ぶと

  聞いた日から、立っていても、どうしたらよいかわからず、坐って

  いても見通しがつかず、馴れ親しんだわが家」すら、草を枕の旅に

  寝るようで、物を思う身は苦しいのに、嘆く身は苦しいのに

  嘆く日々は過ごしがたいのに、一層天雲の如く、ゆらゆらと

  芦垣の如く乱れて物を思い、乱れた麻糸を入れる器もないとて

  、この千分の一も人に知られず 覚束なく恋するであろうか。

  恋を命として

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★ わがこころ やくもわれなり はしきやし

   きみにこふるかも  わがこころから


★ 私の心も焼くのも自分からである。いとしい君に

  恋するかも 他ならぬわが心からであります


     巻13-3271

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★ さし焼かむ 小屋の醜屋に かき棄てむ

  破薦を敷きて かき棄てむ 破薦を敷く

  うち折らむ 醜の醜手を  さし交へて

  寝らむ君ゆゑ あかねさす 昼はしみらに

  ぬばたまの 夜はすがらに この床に

  ひしと鳴るまでは 嘆きつるかも

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★ かえりにし ひとをおもふとも ぬばたまの

   そのよるはわれも ねもねかねきて


★ 帰っていった人を考えると、真っくらな

  その夜は、私も寝られなかった

     巻13-3269

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★ 三緒の 神名備火山ゆ との曇り

  雨は降り来ぬ 雨は霧らひ 雨霧らひ

  風さへ吹きぬ 大口の 真神の原ゆ

  思ひつつ 帰りにし人 家に到りきや


★ みもろの かむなびやまゆ とのくもり

  あめはふりきぬ あめはぎらひ かぜさへふきぬ

  おおくちの まがみはらゆ おもひつつ

  かへりにしひと いへにいたりきゆ


★ 三諸の神名備山の方から、空が一面に曇って

  雨が降って来た。雨まじりに風まで吹き出しました。

  大口の真神の原を通って物を思いつつ帰った人は

  、もう家に到着したでしょうか。

     巻13-3268

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