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万葉歌手、辻友子のブログへようこそ! http://tomoko.ciao.jp
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★ うち述へて 思ひし小野は 遠からぬ

  その里人の 標結ふと 聞きてし日より

  立てらくの たづきも知らず 居らくの

  奥処も日も知らず 親びにし わが家すらを

  草枕 旅寝の如く 思ふそら 苦しきものを

  嘆くそら 過し得るもの 天雲の ゆくらゆくらに

  蘆垣の 思ひ乱れて 乱れ麻の 麻筍を無みと

  わが恋ふる 千重の一重も 人知れず もとなや恋ひむ

  息の緒にして


★ うちはへて おもひしきみは とおからぬ

  そのさとびとが しめゆふと ききてしひより

  たてらくの  たづきもしらず いらくの

  おきどころもひもしらず おやびにし わがいえすらを

  くさまくら たびねのごとく  おもふそら くるしきものを

  なげくそらを すごしえるもの あまぐもの ゆくらゆくらに

  あしがきを おもひみだれて みだれあさと をけなみと

  わがこふる ちへのひとへの ひとしれず もとなやこひも

  いきのをにして

★ 長い間」 思いつづけて来た小野に、程近いその里がしるしを結ぶと

  聞いた日から、立っていても、どうしたらよいかわからず、坐って

  いても見通しがつかず、馴れ親しんだわが家」すら、草を枕の旅に

  寝るようで、物を思う身は苦しいのに、嘆く身は苦しいのに

  嘆く日々は過ごしがたいのに、一層天雲の如く、ゆらゆらと

  芦垣の如く乱れて物を思い、乱れた麻糸を入れる器もないとて

  、この千分の一も人に知られず 覚束なく恋するであろうか。

  恋を命として

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