★　おもふそらむ　　そのひとなれや　　ぬばたまの

　　　よごとにきみが　　いめにしみゆる

　　　　　　　　・ぬばたまの→枕詞

★私を思っていらっしゃるあなたとて、あなたは、ぬばたまの夜

　夢に見えることがどうしてありましょうかー夢にも一向

　見えませんよ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　巻１２－2569

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★おほろかに　　われしおもはば　　かくばかり

　　　かたういみかどを　　まかりいでめや

★並一通りに私が思っているのなら、これほど

　抜け出し難い、朝廷の門を退出できまししょうか

　　　　　　　　　　　　巻11－2568

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★　あひみては　　こひなぐさむと　　ひとはいへど

　　　　　みてのちにそも　　こひまさりける

★逢ったら恋の苦しさは人は言うけれども、後に逢った時に

　こそ恋しさは募ったことです

　　　　　　　　　　　　　　巻11－2567

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★　いろにいでて　　こひばひとみて　　しりぬべし

　　　　　なさけのうちに　　こもりづまはも

★態度に出して恋したなら、人が目に知ってしまうに

　違いない。わが心に秘めた隠れ妻よ

　　　　　　巻11－2366

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★はなぐはし　　あしかきごしに　　ただひとめ

　　　あいみしこゆる　　　ちたびなげきつつ

★花の美しい葦の垣根越し　たった一人逢えぬ子の

　ために、幾度も逢えぬ事を嘆くよ

　　　　　巻11－2565

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