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万葉歌手、辻友子のブログへようこそ! http://tomoko.ciao.jp
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★ 大君の 遠の朝廷と 任き給ふ

  官のまにまに み雪降る 越にく下り木

  あらたまの  年の五年 敷栲の

  手枕まかず 紐解かず 丸寝をすれば

  いぶせみと  情慰に 石竹花を

  屋戸に蒔き生し 夏の野の さ百合引き植ゑて

  咲く花を 出で見るごとに、石竹花が 

  その花妻に さ百合花 後も逢はむと

  慰むる 心し無くは 天離れる

  ひなにも一日もあるべくもあれや

★ おおきみの とほのみかど まきたまふ

  つかさのまにまに みゆきふる

  こしにくだりき  あらたまの

  としのいつとせ しきたへの

  たまくらまかず ひもとかず

 まるねをすれば いぶせみと

 こころなぐさに なでしこを

 いどにまきほし  なつののを

 さゆりひきうへて さくはなを 
 
 いでみるごとに  なでしこが

 そのはなづまに  さゆりはな

 ゆりもみむと  なぐさむる

 こことしなくは あまざかる

 ひなにひとひも あるべくあれや

★ 天皇の遠い政庁とて、ここに任命

  なさった役目のままに、雪の深い
  
  越の国に下さって来て、あらたまの年を

  五年間も柔らかな手枕をすることもなく

  紐もとかぬ丸寝をしていると、心もうっとうしい

 。そこで心を慰めるべく 石花竹がを我が家に

  蒔き育てたり、夏の野から百合の花の名の如く

  後に逢おうと心を慰める。そんな気持ちも持たずに

  この天離るひなに一日とていられるものだろうか

            大伴家持

   巻19-4113

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