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★ 大君の 任のまけまけに 級離る
越を治めに 出でて越し 大夫を
われすら 世の中の 常にしなければ
うち靡き 床にこいふし 痛けくの
日に異にませば 悲しけく 此処に
思ひ出 いらなけく 其処に思い出
嘆くそら 安けなくに 思ふ空
苦しきものを あしひきの
山き隔だりて 玉鉾の 道の遠けば
間使ひも 遣る縁も無み 思ほしき
言も通らず たまきはる 命惜しけど
為むすべの たどきを知らに 籠もり居て
思ひ嘆かむ 慰むる こころは無しに
春の野のの 繁み飛びくく 鶯の
声だに聞かず 少女らが 春菜つみますと
紅の 赤裳の裾の 春雨に にほひつづちて
通ふらむ 時の盛りの 徒に 過し遣り連れ
偲はせる 君が心を 愛はしみ この夜すがらに
寝もねずに 今日らもしめらに
★おおきみの まけなまけまけに しなざかる
こしををさめに いでてこし ますらわれら
よのなかの つねしなけば うちなびき
ゆかにこいふし いたけくの ひにけにませば
かなしけく ここにおもひで なげくそら
やすけなくに おもふそら くるしものを
あしひきの やまきへなりて たまほこの
みちのとおけば まづかひも
やるよしもなみ おもほしき こともかよはず
たまきはる いのちおしけど せむすべの
たどきをしらに こもりいて おもひなげかむ
なぐさむる こころはなしに はるはなの
さけるさかりに おもふどち たおりかざさず
春の野の 繁み飛びくく 鶯の 声だに聞かず
少女らが 春菜摘みますと 紅の 赤裳の裾の
春雨に にほひひづちて 通ふらむ 時の盛りの
徒に 過ぐし遣りつれ 偲はせる 君が心を
愛はしみ この夜すがらに 寝もねずに 今日もしめらに
★大君の 御任命によって、山の彼方の越中の国を治めるために
やって来た私すら、世間は無常なので、身を横たえて病床に伏すこととなり
苦痛が日一日とまさるので 、悲しいことをこっちに思い出してしたりして
嘆く身は安らぎもなく、物思う身は苦しいものを あしひきの
山が間にへだたって玉鉾の道はが遠いので使者をやるすべもないから、
都を恋することば通わせられず 、たまきはる命は押しいのなが
なすべき手段もないままに 、家に籠もっていて物を思い嘆き
慰める心も無く 春の花の咲き盛りの時に 仲間たちと花を手折り
挿頭すこともなく 春の野の繁みを飛びくぐる声もきかないで
少女たちが春の菜を摘むとて 紅色の 赤裳の裾も春雨に美しく
濡れて通っているだろう季節を盛りを、空しく過ごし遣ってしまったので
私を思ってくれるあなたの心を有難く思い、この夜は一晩中寝もせず
今日の日も一日中お慕いしております
大伴家持
巻17-3969
越を治めに 出でて越し 大夫を
われすら 世の中の 常にしなければ
うち靡き 床にこいふし 痛けくの
日に異にませば 悲しけく 此処に
思ひ出 いらなけく 其処に思い出
嘆くそら 安けなくに 思ふ空
苦しきものを あしひきの
山き隔だりて 玉鉾の 道の遠けば
間使ひも 遣る縁も無み 思ほしき
言も通らず たまきはる 命惜しけど
為むすべの たどきを知らに 籠もり居て
思ひ嘆かむ 慰むる こころは無しに
春の野のの 繁み飛びくく 鶯の
声だに聞かず 少女らが 春菜つみますと
紅の 赤裳の裾の 春雨に にほひつづちて
通ふらむ 時の盛りの 徒に 過し遣り連れ
偲はせる 君が心を 愛はしみ この夜すがらに
寝もねずに 今日らもしめらに
★おおきみの まけなまけまけに しなざかる
こしををさめに いでてこし ますらわれら
よのなかの つねしなけば うちなびき
ゆかにこいふし いたけくの ひにけにませば
かなしけく ここにおもひで なげくそら
やすけなくに おもふそら くるしものを
あしひきの やまきへなりて たまほこの
みちのとおけば まづかひも
やるよしもなみ おもほしき こともかよはず
たまきはる いのちおしけど せむすべの
たどきをしらに こもりいて おもひなげかむ
なぐさむる こころはなしに はるはなの
さけるさかりに おもふどち たおりかざさず
春の野の 繁み飛びくく 鶯の 声だに聞かず
少女らが 春菜摘みますと 紅の 赤裳の裾の
春雨に にほひひづちて 通ふらむ 時の盛りの
徒に 過ぐし遣りつれ 偲はせる 君が心を
愛はしみ この夜すがらに 寝もねずに 今日もしめらに
★大君の 御任命によって、山の彼方の越中の国を治めるために
やって来た私すら、世間は無常なので、身を横たえて病床に伏すこととなり
苦痛が日一日とまさるので 、悲しいことをこっちに思い出してしたりして
嘆く身は安らぎもなく、物思う身は苦しいものを あしひきの
山が間にへだたって玉鉾の道はが遠いので使者をやるすべもないから、
都を恋することば通わせられず 、たまきはる命は押しいのなが
なすべき手段もないままに 、家に籠もっていて物を思い嘆き
慰める心も無く 春の花の咲き盛りの時に 仲間たちと花を手折り
挿頭すこともなく 春の野の繁みを飛びくぐる声もきかないで
少女たちが春の菜を摘むとて 紅色の 赤裳の裾も春雨に美しく
濡れて通っているだろう季節を盛りを、空しく過ごし遣ってしまったので
私を思ってくれるあなたの心を有難く思い、この夜は一晩中寝もせず
今日の日も一日中お慕いしております
大伴家持
巻17-3969