★ 玉だすき 懸けぬ時無く わが思ふ
妹にし逢はねば あかねさす ひるはしみらに
ぬばたまの 夜はすがらに 眠も寝ずに 妹は
恋ふるに 生けるすべなし
★ たまだすき かけぬときなく わがもふ
いもにしあはねば あかねさす ひるはしらみに
ぬばたまの よるはすがらに いもねずに
いもはこふるに いけるすべなし
★ 美しい襷をかけぬ時無く私の思う妻に逢わないので
あかね色の昼も始終、ぬばたまの夜も 一晩中
寝もせずに 妻に恋していると どう生きようとも
すべのないことだ
巻13-3297
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