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★ わが背子が 待てど来まさず 雁が音も
とよみて寒し ぬばたまの 夜も更けにけり
さ夜更くと 嵐の吹けば 立ち待つに
わが衣手に 置く霜も 氷に冴え渡り
降る雪も 凍り渡りぬ 今さらに
君来まさめや さな葛 後も言はむと
大船の 思ひたのめど 現には 君にも
逢はむず 夢にだに 逢ふと見えこそ
天の足る夜を
★ わがせこが まてどくらさず かりがねも
とよみてさむし ぬばたまの よもふけにけり
さよふくと あらしのふけば たちまつに
わがころもでに おくしもも こおりにさえわたり
ふるゆきも こおりわたりぬ いまさらに
ききまさめや さなかずら のちにもいはむと
おおふなの おもひたのめど うつつには
きみにも あはむず ゆめにだに あふとみえこそ
てんのたるよるを
★ 待っていてもわが背子はいらっしゃいらない。雁の鳴き声も
寒々と響いてくる。ぬばたまの夜も更けたととて嵐が吹くので
立って待っていると、私の衣手に置く霜を氷のように冴え、
降る雪はもすっかり凍った。今更あなたはどうしていらっしゃろう。
さな葛のように後にも逢おうと大船のように頼みには思うけれども
現実にはあなたには逢えない、せめて夢だけでも逢うと見えてほしいよ、
りっぱな充足夜に
巻13-3801
とよみて寒し ぬばたまの 夜も更けにけり
さ夜更くと 嵐の吹けば 立ち待つに
わが衣手に 置く霜も 氷に冴え渡り
降る雪も 凍り渡りぬ 今さらに
君来まさめや さな葛 後も言はむと
大船の 思ひたのめど 現には 君にも
逢はむず 夢にだに 逢ふと見えこそ
天の足る夜を
★ わがせこが まてどくらさず かりがねも
とよみてさむし ぬばたまの よもふけにけり
さよふくと あらしのふけば たちまつに
わがころもでに おくしもも こおりにさえわたり
ふるゆきも こおりわたりぬ いまさらに
ききまさめや さなかずら のちにもいはむと
おおふなの おもひたのめど うつつには
きみにも あはむず ゆめにだに あふとみえこそ
てんのたるよるを
★ 待っていてもわが背子はいらっしゃいらない。雁の鳴き声も
寒々と響いてくる。ぬばたまの夜も更けたととて嵐が吹くので
立って待っていると、私の衣手に置く霜を氷のように冴え、
降る雪はもすっかり凍った。今更あなたはどうしていらっしゃろう。
さな葛のように後にも逢おうと大船のように頼みには思うけれども
現実にはあなたには逢えない、せめて夢だけでも逢うと見えてほしいよ、
りっぱな充足夜に
巻13-3801