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★ 葦原の 瑞穂の国を 領らしめしける
皇御祖の 神の命を 御代重ね
天の日つぎと 領らしける
君の御代御代 敷きませる
四方の国には 山川を 広み厚みと
奉る 御調宝は 数へ得ず
尽くしもかねつ 然れども
わご大君の 諸人を 誘い給ひ
善き事を 始め給ひて 黄金かも
たしけくあらむと 思ほして
下悩ますに 鶏が鳴く 東の国を
陸奥の 小田なる山に 黄金ありと
申し給ひれ 御心を 明らめ給ひ
天地の 神相珍なひ 皇御祖の
御霊助けて 遠き代に かかりし事を
朕が御代に 顕してあれば 食国は
栄えむものと 神ながら 思ほしめして
物部の 八十伴の緒を 服従の
向けのまにまに 老人も 女童児も
そが願ふ 心足ひに 撫で給ひ
治め給へば 此をしも あやに貴み
嬉しけく いよよ思ひて 大伴の
遠つ神親の その名をば 大来目主と
負ひ持ちて 仕へし官 海行かば
水浸く屍 山行かば 草生す屍
大君の 辺にこそ死なめ
顧みは せじと言立て 丈夫の
清きその名を 古へよ 今の現に
流さへる 祖の子等そ 大伴と
佐伯の氏は 人の祖の 立つる言立て
人の子は 祖の名絶たず 大君に
奉仕ふものと 言ひ継げる 言の官そ
梓弓 手に取り持ちて 剣大刀
腰に取りはき 朝守り 夕の守りに
大君の 御門を守り われをおきて
ひとはあらじと いや立て
思ひし増さる 大君の
御言の幸の 聞けば貴み
★あしはらの みずほのくにを あまくだり
しらしめしける すねろきの かみのみことの
みよかさね てんのひつぎと しらしくる
きみのみよみよ しきませる よものくにには
やまかわを ひろみあつみと たてまつる
みつきたからは かぞへへず つくしもかねつ
しかれども わごおおきみの もろひとを
いざなひたまひ よきことを はじめたまひて
くがねかも たしけくあらむと おもひして
したなやますに とりがばく あずまのくにの
みちのくの をだなるかわに くがねありと
もうしたまへれ みこころを あきらめたまひ
あめつちの かみあひうづなひ すめろきの
みたまたすけて とおきよに かかりしことを
わがみよに あらわしてあれば をすくには
さかえむものと、かむながら おほしめして
もののふの やそとものをの まつろへの
むけのまにまに おいひとも をみなわらはも
こころだらひに なでたまひ おさめたまへば
ここをしも あやにたふとみ うれしけく
いよいよおもひて おおともの とおつかむおやの
そのなをば おおほめぬしと おひもちて
すかへしつかさ うみいかば みづくかばね
やまゆかば くさむすかばね おおきみの
へにこそしなめ かへりみは せじとことだて
ますらをの きよきそのなを いにしへよ
いまのをつつにながさへる おやのこどもそ
おほともと さへきのうじは ひとのおやの
たつることだて ひとのこは おやのなたたずおおきみに
まつろふものと いひつげる ことのつかさと
あずさゆみ てにとりもちて つるぎたて
こしにとりはき あさまもり ゆうのまもりに
おおきみのみかどのまもり われをおきて
ひとはあらじと いやたて おもひしまさる
おおきみの みこのさきの きけばたふとみ
★葦がしげる実り豊かなこの国土を天から降って
皇祖の神の御代を重ねて、天日の継承さるものとして
支配なさる天皇の御代御代に統治なさる四方の国には
山や川が広く豊かなので貢上する宝物は数え切れず
尽くすこともできない。しかしながらわが大君は立派な
事業をお治めになってから 黄金がたしかにあるどあろうかと
お考えになり、心を悩ませておいでだった。ところが、鶏が鳴く
東の方、陸奥の小田という山に黄金があると、申し上げると、
御心のふさぎをい晴らしになった。「天地の神々も尊いこととお思いなさり
皇祖の神の御魂も恩恵を施され、遠い昔にあった、こうした事を、またわが
御代にもお見せくださったので、わが統治の国は繁栄するにちがいない」
と、大君は神の御心にお考えになり多くの延臣たちを従え政治に向かわせる
一方老人も、女も子供もその願いが心のままに安らかにさせ、治めなさる。そのことを
私はふしぎに尊く嬉しいこととますます考える。大伴という、遠い祖先の大来目主として、
揚げ持ち、朝廷奉仕、役目としてきた氏は「海に征けば水に浸かる屍、山に戦えば
草のはえる屍。大君のかたわらに死のう。わが身をふりまくまい」と、言立てをして
勇敢な男の清らかな名を昔から今の現実の末の一族であることよ。大伴・佐伯の両氏は
祖先の立てた言立てによって、子孫が祖先の名を絶やさず大君に奉仕するものと言い伝えて
来た。そのことばおどおりの役目の氏であるよ。
梓の弓を手に握り持ち、剣太刀を腰に帯び「朝の守護。夜の守護に大君の
御門の守護をするのには、自分以外に人がいまい」と、ますます
心をふるいたたせ、気持は高ぶる、大君のお言葉の幸いが「一ハ云わく、を」
聞けば尊いので「一八云わく、尊く思われるので
巻18-4094
皇御祖の 神の命を 御代重ね
天の日つぎと 領らしける
君の御代御代 敷きませる
四方の国には 山川を 広み厚みと
奉る 御調宝は 数へ得ず
尽くしもかねつ 然れども
わご大君の 諸人を 誘い給ひ
善き事を 始め給ひて 黄金かも
たしけくあらむと 思ほして
下悩ますに 鶏が鳴く 東の国を
陸奥の 小田なる山に 黄金ありと
申し給ひれ 御心を 明らめ給ひ
天地の 神相珍なひ 皇御祖の
御霊助けて 遠き代に かかりし事を
朕が御代に 顕してあれば 食国は
栄えむものと 神ながら 思ほしめして
物部の 八十伴の緒を 服従の
向けのまにまに 老人も 女童児も
そが願ふ 心足ひに 撫で給ひ
治め給へば 此をしも あやに貴み
嬉しけく いよよ思ひて 大伴の
遠つ神親の その名をば 大来目主と
負ひ持ちて 仕へし官 海行かば
水浸く屍 山行かば 草生す屍
大君の 辺にこそ死なめ
顧みは せじと言立て 丈夫の
清きその名を 古へよ 今の現に
流さへる 祖の子等そ 大伴と
佐伯の氏は 人の祖の 立つる言立て
人の子は 祖の名絶たず 大君に
奉仕ふものと 言ひ継げる 言の官そ
梓弓 手に取り持ちて 剣大刀
腰に取りはき 朝守り 夕の守りに
大君の 御門を守り われをおきて
ひとはあらじと いや立て
思ひし増さる 大君の
御言の幸の 聞けば貴み
★あしはらの みずほのくにを あまくだり
しらしめしける すねろきの かみのみことの
みよかさね てんのひつぎと しらしくる
きみのみよみよ しきませる よものくにには
やまかわを ひろみあつみと たてまつる
みつきたからは かぞへへず つくしもかねつ
しかれども わごおおきみの もろひとを
いざなひたまひ よきことを はじめたまひて
くがねかも たしけくあらむと おもひして
したなやますに とりがばく あずまのくにの
みちのくの をだなるかわに くがねありと
もうしたまへれ みこころを あきらめたまひ
あめつちの かみあひうづなひ すめろきの
みたまたすけて とおきよに かかりしことを
わがみよに あらわしてあれば をすくには
さかえむものと、かむながら おほしめして
もののふの やそとものをの まつろへの
むけのまにまに おいひとも をみなわらはも
こころだらひに なでたまひ おさめたまへば
ここをしも あやにたふとみ うれしけく
いよいよおもひて おおともの とおつかむおやの
そのなをば おおほめぬしと おひもちて
すかへしつかさ うみいかば みづくかばね
やまゆかば くさむすかばね おおきみの
へにこそしなめ かへりみは せじとことだて
ますらをの きよきそのなを いにしへよ
いまのをつつにながさへる おやのこどもそ
おほともと さへきのうじは ひとのおやの
たつることだて ひとのこは おやのなたたずおおきみに
まつろふものと いひつげる ことのつかさと
あずさゆみ てにとりもちて つるぎたて
こしにとりはき あさまもり ゆうのまもりに
おおきみのみかどのまもり われをおきて
ひとはあらじと いやたて おもひしまさる
おおきみの みこのさきの きけばたふとみ
★葦がしげる実り豊かなこの国土を天から降って
皇祖の神の御代を重ねて、天日の継承さるものとして
支配なさる天皇の御代御代に統治なさる四方の国には
山や川が広く豊かなので貢上する宝物は数え切れず
尽くすこともできない。しかしながらわが大君は立派な
事業をお治めになってから 黄金がたしかにあるどあろうかと
お考えになり、心を悩ませておいでだった。ところが、鶏が鳴く
東の方、陸奥の小田という山に黄金があると、申し上げると、
御心のふさぎをい晴らしになった。「天地の神々も尊いこととお思いなさり
皇祖の神の御魂も恩恵を施され、遠い昔にあった、こうした事を、またわが
御代にもお見せくださったので、わが統治の国は繁栄するにちがいない」
と、大君は神の御心にお考えになり多くの延臣たちを従え政治に向かわせる
一方老人も、女も子供もその願いが心のままに安らかにさせ、治めなさる。そのことを
私はふしぎに尊く嬉しいこととますます考える。大伴という、遠い祖先の大来目主として、
揚げ持ち、朝廷奉仕、役目としてきた氏は「海に征けば水に浸かる屍、山に戦えば
草のはえる屍。大君のかたわらに死のう。わが身をふりまくまい」と、言立てをして
勇敢な男の清らかな名を昔から今の現実の末の一族であることよ。大伴・佐伯の両氏は
祖先の立てた言立てによって、子孫が祖先の名を絶やさず大君に奉仕するものと言い伝えて
来た。そのことばおどおりの役目の氏であるよ。
梓の弓を手に握り持ち、剣太刀を腰に帯び「朝の守護。夜の守護に大君の
御門の守護をするのには、自分以外に人がいまい」と、ますます
心をふるいたたせ、気持は高ぶる、大君のお言葉の幸いが「一ハ云わく、を」
聞けば尊いので「一八云わく、尊く思われるので
巻18-4094