忍者ブログ
万葉歌手、辻友子のブログへようこそ! http://tomoko.ciao.jp
[6005]  [6004]  [6003]  [6002]  [6001]  [6000]  [5999]  [5998]  [5997]  [5996]  [5995
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

PR
★ 大君の  遠の朝廷と

  任き給ふ 官のまにまに

  み雪降る  越しに下り来

  あらたまの  年の五年

  敷栲の  手枕分かず

  紐解かず  丸寝をすれば

  いぶせみと 情慰に

  石竹花を 屋戸に蒔き生し

  夏野の野 さ百合引き植ゑて

  咲く花を  出で見るごとに

  石竹花が その花妻に

  さ百合花 後も逢はむと

  慰むる  心し無くは

  天離れる ひなに一日も  

  あるべくもあれや

★ おおきみの  とほのみかどと

  まきたまふ  つかさのまにま

  みゆきふる  こしにくだりき

  あらたまの  としのいつとせ

  しきたへの  たまくらまかず

  ひもとかず  まるねをすれば

  こころなぐさに いぶせみと

  なでしこを やどにまきおほし

  なつののの  さゆりひきうゑて

  さくはなを   いでみるごとに

  なでしこが  そのはなづまに

  さゆりばな  ゆりもあはむと

  なぐさむる  こころしなくは

  あまざかる   ひなひひとひも

  あるべくもあれや

★ 天皇の遠い政庁のとて、ここに

  任命なさった役目のままに、雪も

  深い越しに下って来て、あらたまの

  年を五年間も柔らかな手枕をすることもなく

  紐も解かぬ丸寝をしていると

  こころもうっとうしい。

  そこで心を慰めるべく石花竹を我が家に

  蒔き育てたり、夏の野から百合の花を

  取って来ては庭に植える。

  それらの花を庭に出て見る度に

  石竹花の花のような妻に、百合の花の

  名の如く、後に逢おうと心を慰める

  そんな気持も持たずにこの天離るひなに

  一日とていられるものだろうか

       巻18-4113

拍手[0回]

カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ブログ内検索
プロフィール
HN:
辻友子
性別:
女性
自己紹介:
万葉を歌う歌手、辻友子のブログ。くわしくはホームページを!
Copyright © 万葉歌手辻友子 All Rights Reserved.
Designed by 10p
Powered by Ninja Blog

忍者ブログ [PR]