★ いにしへの ひとのきこせる きびのさけ やめばすべなし ぬきすたばらむ
★ 昔の人が召し上がれた名高い吉備のお酒ですが、病気の身では無用なものです。
そちらの名産の貫簣を頂戴いたします。
巻4-554 丹生女王
貫簀・・ぬきす・・・は手洗いのたらいの上に掛けて、注いだ水が跳ね返らないようにする
竹細工で、筑紫の特産品だったようです。大伴旅人より、贈られたお酒より、あなたを思って
病にさえ臥せって居るがごとき私には無用のものです、と歌われています。
特産品を受け取っても仕方がないという、失礼な歌を送りながら、それほど、あなたの事を
思って居るというおなあ後頃を伝えて居るかのようですね・・・・
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