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★ はるされば うのはなぐたし わがこえし
いもがかきまは あれにけるかも
★ 春になると、卯の花が腐って、私が越えて
いった、あの子の家の垣のすき間は、今は
すっかり荒れ果ててしまったことです。
巻10－1899
・ ぐたし→腐る、損なう、台無しにする
いもがかきまは あれにけるかも
★ 春になると、卯の花が腐って、私が越えて
いった、あの子の家の垣のすき間は、今は
すっかり荒れ果ててしまったことです。
巻10－1899
・ ぐたし→腐る、損なう、台無しにする
[0回]
★ かほどりの まなくしばなく
はるののの くさねのしげき こひもするかも
★ 貌鳥が絶え間なく鳴きしきる、春の野原の草の根が
繁茂するように、しきりに身をせめる恋をもする
ことだなあ 鳥に寄せたる
はるののの くさねのしげき こひもするかも
★ 貌鳥が絶え間なく鳴きしきる、春の野原の草の根が
繁茂するように、しきりに身をせめる恋をもする
ことだなあ 鳥に寄せたる
[0回]
★ はるされば もずのくさがき みえずとも
われはみやらむ きみがあたりをば
★ 春になると百舌鳥が草に潜って見えないように、
あの子が見えなくても、わたしは見ることにしよう
あなたの家の辺りを・・・
巻10－1897 鳥に寄せたる
・
われはみやらむ きみがあたりをば
★ 春になると百舌鳥が草に潜って見えないように、
あの子が見えなくても、わたしは見ることにしよう
あなたの家の辺りを・・・
巻10－1897 鳥に寄せたる
・
[0回]
★ はるされば しだりやなぎの とををにも
いもはこころに のりにけるかも
★ 春になると、枝を垂らす、垂れ柳の枝が
たわむように、あの子はずっしりと、私の心に
乗りかかってしまった。
巻10ー1896 柿本人麻呂歌集
・ とををにも→タワワの母音交替形→枝がたわむさまの形容
いもはこころに のりにけるかも
★ 春になると、枝を垂らす、垂れ柳の枝が
たわむように、あの子はずっしりと、私の心に
乗りかかってしまった。
巻10ー1896 柿本人麻呂歌集
・ とををにも→タワワの母音交替形→枝がたわむさまの形容
[0回]
★ はるされば まづさきくさの さきくあらば
のちにもあはむな こひそわぎも
★ 春になると真っ先に咲く三枝のように、事もなく
幸くあるならば、また、後にも逢いましょう。
そんなに恋しがるな。あなたよ。
巻10－1895 柿本人麻呂歌集
・三枝の→ジンチョウゲ科の落葉底木
・な～そ→禁止
のちにもあはむな こひそわぎも
★ 春になると真っ先に咲く三枝のように、事もなく
幸くあるならば、また、後にも逢いましょう。
そんなに恋しがるな。あなたよ。
巻10－1895 柿本人麻呂歌集
・三枝の→ジンチョウゲ科の落葉底木
・な～そ→禁止
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